森美術館 ディン・Q・レ展 : 明日への記憶 に行ってきました

こんにちは

週末、六本木ヒルズ内にある森美術館の 「ディン・Q・レ展 :  明日への記憶」 という展覧会へ行ってきました。

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ちなみにお隣ではガンダム展も開催しており、主に家族連れのお客さんで入場待ちの行列ができる程の混雑ぶりでした。

お目当のディン・Q・レ展の方はお一人様が多く落ち着いた雰囲気。ゆっくり、快適に鑑賞できました。

ディン・Q・レ はベトナム生まれ、現在はベトナム在住ですが幼少からアメリカで育ったアーティストだそうです。ベトナム戦争を主テーマとしたアート・映像作品で数々の賞を獲っているそう。たまたま某所でチラシを見かけて気になっていたので展覧会初日に早速見に来てみました。

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こちらの展覧会、美術館には珍しく写真撮影OKです。商用利用でなければブログ等への転載もOKという事。アートでありながら報道・社会問題提起的な側面がある作品達なので、時代の流れに乗ってインターネットによる情報伝播をポジティブに活用しているのかなー、と思いました。

展覧会の概要は以下(公式HP から引用 )

■ 森美術館初、東南アジア(ベトナム)出身アーティストの大規模個展

本展は、アジアのアーティストに注目し、主に東アジア出身アーティストの個展を開催してきた森美術館にとって、初めて東南アジア出身アーティストを紹介する大規模個展となります。近年、経済的にも急激な成長途上にあり、アート・マーケットの動向も活発な東南アジアのアーティストのなかでも、特に国際的評価の高いディン・Q・レに焦点を当てます。

■ バラエティに富む、ダイナミックな作品の数々

写真を工芸的に編んでいく「フォト・ウィービング」シリーズなどベトナムの手仕事を取り入れた作品、完成度の高い映像と本物のヘリコプターや舟などを組み合わせたインスタレーションなど、視覚的バラエティに富む、ダイナミックな作品が紹介されます。

■ ていねいな取材とインタビューに基づいて語られる新たな歴史

綿密で、人の深層心理にまで踏み込む独特の取材によって、個人の記憶と物語がドラマティックに生成されます。マス・メディアやハリウッド映画によって流布されたベトナム戦争のイメージとは全く異なる、ベトナム人当事者のこれまで語られることのなかった物語が表出します。

■ 日本のいまを捉える新作

ベトナム戦争のリエナクトメント* に興じる日本人男性への取材を基に新作映像を制作。新たなベトナム戦争のヴィジョンを捉えるとともに、日本の歴史や記憶、アイデンティティの問題などについて考えます。
* リエナクトメント:歴史的出来事を再演する活動

■ 日本の戦後70年、ベトナム戦争終結から40年という節目の年に、歴史を再考・議論する場を提供

2015年という節目の年に、報道写真を通して見るベトナム戦争、ベトナム戦争が日本社会や日米関係に与えた影響、また、今日のベトナムの現代アートシーン、ビジネス・マーケットとしてのベトナムの魅力など、さまざまなテーマでレクチャーやセッションを開催することで、活発な議論の場を生み出します。

作者のディン・Q・レ自身の生い立ちや考え・経験について、また、個々の作品の背景にあるエピソードが丁寧に説明されストーリーとして分かりやすく、最後まで興味深く観る事ができるすごく良い展覧会でした。(説明が小難しすぎて途中で眠くなる展覧会もあるので・・。また、音声ガイドが分かりやすい上に無料でした。)

特に印象に残った作者のエピソードですが、作者がアメリカの大学で受講したベトナム戦争の講義があまりにもアメリカ側からの視点に偏っており、ベトナム側の視点が全く含まれていない事に大変な憤りを覚えたそうです。
ベトナム戦争をテーマとしたこの作家の作品を通じて日本の歴史やこれからについて、今このタイミングで考えよう!という展示会のテーマ・メッセージを展示の様々な箇所で感じました。

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作家名・作品名:ディン・Q・レ <無題>
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

上の作品は複数の写真を切って糸状にし、ベトナム製のカゴバックのように編んで作った作品。ハリウッドの華やかなポスターとベトナム戦争の戦地の写真が合成されています。

こちらも含めて全ての作品から、アメリカ育ちのベトナム人 という作者のアイデンティティが土台となっている事を感じます。

こういう渾然としたイメージって一人でぼーっとしている時や浅い眠りの時に、頭の中に浮かびますね。面白い表現方法だなー、と思いながら鑑賞。

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作家名・作品名:ディン・Q・レ <傷ついた遺伝子> 手編みの子供服,人形
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

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作家名・作品名:ディン・Q・レ <傷ついた遺伝子> おしゃぶり
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

上記は一見ポップで可愛らしいですが、枯葉剤の影響による結合性双生児(ベトちゃん・ドクちゃんが有名)をモチーフにした子供服や人形等。実際にホーチミンのお土産屋さんで販売する、という公共プロジェクトを行ったそうです。強烈なメッセージ性。

今の日本の雰囲気にドンピシャなテーマの展覧会でした。きっと1年位前からプログラムは決まっていたんでしょうから、美術館の企画の方って世の中の流れ・トレンドを敏感に感じて、読む力が本当に優れているんでしょうね。

会期は10月初めまでとまだ大分期間があり、トークセッション等のイベント も盛んに実施されているよう。もう一度時間を置いて見に行きたいと思いました。暑い日が続きますが美術館はクーラーもバッチリ効いていますし、六本木近辺に用事がある方はついでに是非立ち寄られる事をおススメします!

最後まで読んで頂きありがとうございます。


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